謎解きを個人に依頼するメリット・デメリット


【2023年追記】

からくり小箱はこちらへ移転しました。

以下は古い記事になりますので、移転先でご覧ください。


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こんにちは。からくり小箱です。

今回のブログは、謎解き個人制作のもろもろを正直に書いていきます。


・制作会社さんと個人への依頼は費用がどのくらい違うのか

・メリット、デメリットの比較


ほかにも解説したブログがありますので、あわせてお目通しいただければと思います。



謎解きを制作会社さんに依頼するメリット


・大手ほどクオリティが安定しやすい


大手の謎解き制作会社さんは、やはり堅実で安定した作品が多いです。経験豊富な謎解きディレクターの元で進行されること、制作に関わる人数が多いこと、の2点が理由だと思われます。

大手であるほど間違いない作品が多く、新規団体であるほど各クリエイターの能力に依存しやすい傾向があると思います。

なお、「謎解き制作に関わる人数が多いこと」は大事です。制作会社では、プロジェクトごとにチームが組まれ、一つのイベントに対して複数人で制作します。大手の制作会社さんほど、テストプレイ&デバッグ(実際にみんなで解いてミスや導線不足がないかを確認する作業)の回数も多く、クオリティの高さも頷けます。

わたしは個人で制作しているので、必ずご依頼者さまに初稿のフィードバックをお願いしております。この作業により作品がブラッシュアップされます。


・過去の事例が多くて安心


大手の制作会社になるほど、5年、10年と長く謎解き専門で制作していらっしゃいます。言わずと知れたトップはもちろんSCRAPさん。他の制作会社さんでも、イベント開催事例が多いので安心感を持って依頼することができます。


・デザインも任せられる


契約内容次第ですが、制作会社にはデザインまで丸投げできることがあります。謎解きは問題そのものも大事ですが、商品として売ることを考えると、やはりデザイン(ビジュアル)は大事ですよね。制作会社さんの社内にデザイナーさんがいる場合、デザインまで綺麗に仕上げてくれます。

※料金次第でデザインが入らないこともあるので、各制作会社さんに確認してください。


・キット制作、印刷も任せられる


キットとは、謎解きに使うアイテムの総称です。リアルで行う謎解きイベントになると、問題冊子と解答用紙、ペグシル(使い捨てのペン)をセットにして配布することが多いです。このキットの用意まで済ませてくれるのがいいところです。自分で発注するとちょっと面倒ですよね。


・当日のスタッフを用意してくれる


こちらも契約内容次第ですが、スタッフを用意してくれるので、複雑なオペレーションがあるイベントの場合も安心して任せられます。謎解きのルール説明をしたり、ヒントを出したり、クリア特典を渡したりする役です。

周遊型謎解きイベントだと、無人で「勝手に回って楽しんでね」というパターンが多いのですが、どうしてもスタッフが必要なイベントの場合は助かると思います。制作会社さんの中には、謎解き制作者兼司会者という肩書きの方もいらっしゃいます。


・設営も対応してくれる


契約次第で設営にも対応してくれます。リアル宝探しゲームのように、宝箱を設置するなど仕込みが大変な場合もスタッフさんにお任せできます。宝探し専門のタカラッシュさんの場合は、設営料金込みと明記されていました。


・ブランド力で集客できる


謎解きが一般的な人気を獲得すると同時に、クオリティにばらつきのある作品も出回るようになりました。謎解きファンの人から見ると、どれが本当に面白い謎解きなのかわからないので、制作会社のブランドで「面白いかどうか」を判断する人もいます。たとえば「SCRAP」とポスターにクレジットが書いてあると信頼感があり、イベント集客に一役買ってくれます。もちろん名前の使用料はかかるようです。


謎解き制作会社さんに依頼するデメリット


・費用が高め


費用は数百万~、大規模なイベントなら1000万~。聞いた話だと、SCRAPさんは基本的に4桁とのことです。一般的な制作会社さんだと300万~が相場だそうです。クオリティが安定していること、丸投げで謎解きイベントができること、ブランド力による広告効果を考えると、高くないかもしれません。ご希望の成果とコスパ、そしてご依頼主様がどこまで丸投げしたいのかを合わせて検討されるとよいと思います。



個人の謎解き作家に依頼するメリット

・費用が安い


個人だと、原稿料を安く抑えることができるのが最大のメリットです。趣味で作っている人は1問500円くらいから出しています。なお、私(個人謎解き作家)の場合、謎解きイベントの合計費用は25万~50万ほどです。もっと安い方も高い方もいます。料金設定は人それぞれなので、実績と見比べて検討する必要があります。

※あそびファクトリーのたなかひろあきさんが、費用について詳しい記事を書かれていました。非常にわかりやすいので、迷われている方は是非ご覧ください。

結局「謎解きイベント/リアル謎解きゲーム」って制作費いくらで作ってくれるの?(2019年5月現在)


・不要なオプションをカットできる


個人制作は、必要なものだけを発注できるメリットがあります。『謎解きの問題だけ』という依頼もよく来ます。制作会社さんがセット売りする気持ちは大変よくわかります。ストーリーと謎は密接に絡み合っているので、工数的に切り離しづらいからです。しかし、個人制作者はこの点は融通を利かせてお引き受けすることが多いです。

私のところに来た依頼だと、遊園地と映画のコラボ謎解き、謎解き絵本、SNSのキャンペーン用謎解きなどは、問題だけ作成したお仕事です。


・制作に関わりやすい


これも人によりますが「こんなアイデアを活かしてほしい」という希望にお答えしやすいです。制作会社さんの場合は、打ち合わせが終わるとプロの集団にお任せできて楽なぶん、一緒に作り上げるという感覚は薄いです。「こんな謎解きを作りたい」というビジョンのある方は、個人依頼に向いていると思います。


・コミュニケーションが密


個人差がありますが、コミュニケーションが気軽に取れるので、何でも言いやすいです。

私もお客様から「制作途中で一度見せてほしい」とか「依頼する前に会ってみたい」などのご連絡をいただきますが、全部OKです。



個人の謎解き作家に依頼するデメリット


・デザインが甘い


個人の制作者だとプロのデザインが入りません。納品時には体裁を整えますが、プロのデザイナーさんとは仕上がりに差が出ると思ってください。

どの程度、デザインを整えるかも制作者によって異なります。私の場合は商用利用OKのイラストやテンプレートを駆使して、なんとかそれらしく仕上げています。

私にご依頼をくださる企業さんの場合は、そのまま私が納品したデータを使われるパターンと、別途デザイナーさんに発注してブラッシュアップされるパターンが半々くらいです。


・キット料金、印刷料金が入っていない


個人だと、問題や解答用紙の印刷、キットの制作は受けていないことが多いです。ご自身で印刷できる環境にあるか、業者に発注する必要があります。

私にご依頼をくださる企業さんの場合、問題印刷は企業さん側で「ラクスル」などに発注されているか、もともとキット不要の謎解きでした。


・知名度がない


個人なので存在が認知されづらく、制作会社さんと違ってブランド力も劣ります。Twitterで有名な謎解き出題者さんも、どこかの団体に所属されている方が多いです。


・難易度調整(テストプレイ&デバッグ)に協力が必要


個人制作だと、初稿からブラッシュアップする作業に、依頼主様のご協力が必要になります。お客様に初稿を見てもらってフィードバックをもらいながら、出題方法や難易度を調整していきます。この作業は非常に重要なので、率直な意見を頂けるとより良い作品ができます。


・クオリティや個性に差がある


趣味でやっている人もいれば、本職でやっている人もいます。謎解きファンに向けた高度な謎解きを得意とされる方もいれば、一般向けの簡単な謎解きが得意な人もいます。(どちらが良いというものではなく)

自分の目的に合った人を選ぶコツとしては、実績とプロフィールを見ること。SNSなどで人柄も見ておくと相性もわかりやすいかもしれません。あとは見積もりついでに「サンプルください」と言えば見せてくれるはずなので、それで比較するのもいいかもしれません。



まとめ


・制作会社さんは、面倒なことを全てやってくれる。安心感とブランド力が強い。

・個人に依頼するなら、デザインと印刷をどうするか考える必要がある。

・個人作家はいろんなタイプがいるので、用途に応じて見極めが必要。


以上、制作会社さんと個人の違いをご紹介しました。

私の経験に寄った主観ではありますが、参考になりましたら幸いです。

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