今更ながら、ひっそりと話題のSFゲーム『OPUS T』をプレイしました。
●概要
人類が地球を離れてから長い年月が経過し地球の存在が神話のように語られる時代を舞台としたSF作品。
行き過ぎた遺伝子操作の施策により人類が存亡の危機を迎えた事態を受け、起源となる遺伝子を得るべく2人の研究者が宇宙船「オプス号」に搭乗し地球を目指すことになるが、その宇宙船内部で展開する物語が、同行するロボットを主人公として描かれる。
(Wikipediaから抜粋)
●ゲームシステム
ロボットのエムが主人公となり(自分がロボットだとは思っていない様子)、宇宙船の中の探索と、望遠鏡で宇宙を観測するパートを繰り返す。
●感想
ゲームシステムや設定もさることながら、SF好きの心をくすぐる仕掛けが満載。
導入部の”地球の存在が神話となっている”という設定、ロボットのエムが宇宙船のトラブルによって序盤からひとりぼっちになってしまう状況、淡々と宇宙観測を進めながら、現在の状況の謎が明かされていくシステム。
個人的に、宇宙モノや異空間モノという設定よりも「世界に謎が含まれている」ことがSFの条件だと思っているので、そのあたりが心にヒットしました。
新たな事実が明らかになるにつれて、自分がいる場所が揺らぐような感覚。そして、最後まで客観的な事実は語られないまま幕を閉じます。
すごく良かったです。ただし、SF好きじゃないとつまらないかも。
※以下ネタバレ
「地球が神話~」という設定が出た時点で『猿の惑星』オチがよぎった私ですが、そんな浅いどんでん返しはありませんでした。
ネットの評判では「結局よくわからないし、特にどんでん返しもなくつまらない」という声があるのですが、人生や世界ってそういうものじゃないかなと思います。だからSF作品として優秀というか。
最後までプレイヤーがエムの視点でしか物語を見られないところも良かったです。
96%合致した地球型惑星を見つけて、プレイヤーとしてはエムを止めたい気持ちでいっぱいの中、エムがひたむきに観測を続けて99.98…%の地球型惑星が見つかるのも、エムの純粋さと宇宙のロマンを感じさせて素晴らしかったです。
こんなゲームシナリオが書けるようになりたい。
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